山本忠通評議員は、2024年9月21日に行われた「平和の鐘」の式典において、世界平和実現の困難さを認識しつつ、単なる祈りだけでは不十分であることを指摘した。
「過去79年間、平和を願い続けてきたが、世界情勢は依然として厳しい。日本の79年間の平和は我々の努力の成果である。世界平和実現の困難さを認識しつつ、単なる祈りだけでは不十分であることを理解すべきである。重要なのは、平和を求める気持ちを育み、それを若い世代に伝えていくことである。現状改善のために二つの取り組みが必要である。一つは、紛争地域への対処、もう一つは、より本質的な制度改革である。」
山本氏はシンポジウムで外交における相互尊重の重要性を主張し、平和の定義について独自の見解を示した。「小中高生に『平和とは何か』と聞くと、彼らは戦争がないことだけでなく、幸せに生活できることが平和だと答える。例を挙げると、植民地社会において戦争はないが、自分の意思が押さえつけられて、アイデンティティが否定されるから人々は幸せではなく、その状態は平和とは呼べないであろう。よって、安全保障だけで平和が守られるわけではない。外交において重要なのは、お互いを尊敬し合える関係を築くことだと考える。アフガニスタンでの経験から、現地の文化や価値観を無視した『自由民主主義』の押し付けは反発を招くことを学んだ。女性の権利についても、異なる価値観を尊重することが必要である。岸田総理のように、若くて力のあるリーダーが世界平和に貢献してほしいと願う。」
リポーター 植木慈音、望月美波
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